辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
けれど近頃のロザリアは成長期なのもあって、女性らしい体付きになってきていて……胸など目のやり場に困る事が多々あるのが近頃の私の悩みでもあった。
16歳になって社交界デビューをしたら、皆にお披露目する事になる。
こんなに素晴らしい女性を皆に披露したい気持ちと、誰にも見せたくない気持ちがせめぎ合う…………敗戦国の王女として好奇の目にさらされるだろうという心配もある。
彼女なら辺境伯夫人として立派に務めてくれるだろうと思ってはいるが、余計な事で彼女の心を煩わせたくない。出来る事なら城に閉じ込めてしまえたら……と危ない思考になりそうなところを自制心で押しとどめる。
私はロザリアを甘やかしたくてたまらないのだ。
ロザリアの髪を撫でながら、そのような事が起こる日が近い事を痛感して、また悩ましい。
横に寝転がりながらいつものように手を繋いでウトウトしていると、いつの間にか私も眠りに落ちていた――――そして朝陽が昇り、部屋が明るくなってくる――――