辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「今後このような事がないように気を付けますね」
「大丈夫だよ、ロザリアに抱き着かれるのは嬉しいんだから……ただ眠れなかった事がちょっとだけ大変だっただけで…………」
「眠れなかったのですか?!なんて事…………」
やっぱりあんなにぎゅうぎゅうに抱き着いていては眠れないわよね。私は大変な迷惑をかけてしまった事を反省し、別々に眠る事を提案してみた。
「テオドール様には大切なお仕事がありますし、眠れないのはいけません。今日から別々に寝ましょう」
「え……や、そこまでするほどの事でもないから大丈夫だ……一緒に寝ていた方が安心するのもあるし」
(レナルドの事とか一人にするには不安要素もあるし――)
「?そうなのですか?………………それならいいのですけど……辛かったらいつでも言ってくださいね。私も二度とこのような事が起きないように気をつけます……」
~・~・~・~
固い決心をしたにも関わらず、三日続けてそんな失態を犯してしまい、見るからにテオドール様がゲッソリしていらっしゃる…………私が別々に寝る事を再び提案すると、テオドール様も渋々承諾してくださった。
「……大丈夫って言ったのに、すまない………………」
「いえ、私が無意識とは言え、己の動きを制する事が出来ていないのが原因ですので、テオドール様が謝る事ではありません」