辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
確かめない方がよかった事
それから毎朝庭仕事のお手伝いをする事が日課になっていった。
レナルドは私のくだらない悩みを聞いてもいつもちゃんと返してくれて、庭仕事は楽しいし、朝のこの時間が私は好きだった。
テオドール様に庭仕事のお話をするとあまりいい顔をしてくれない事が気がかりだけど…………相変わらず気まずい空気もあって、最近は前より会話が半減してしまっていた。
そして突然その日はやってくる。
テオドール様の元婚約者である、ステファニー・ドゥカーレ伯爵令嬢がテオドール様を訪ねてやってきたのだ。
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私は来客が来たというので、急いで着替えてエントランスに向かった。誰だろう……今日は来客の予定はなかったはずだし、正直私がベルンシュタットへ来てから、ほとんど来客はない。
そして今日はテオドール様は執務室でお仕事をなさっているから、来客は私が出迎えなければならないわよね……まだそういう事はしなくていいと言われているけど、一応妻だし…………とにかく急がなくては。
そうして駆けつけてみると、テオドール様と親しくお話している、とても綺麗な女性が目に入る――――
「あなたが情けない事になっているとあの方から聞いて、見に来てあげたわ。大丈夫なの?」
「………………あいつか…………わざわざ来てもらってすまないな。今お茶を用意するから、執務室に行こう……」