辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「テオドール様は、そのお方の事がまだお好きなのかしら………………」
「え?!それはないんじゃないでしょうか~」
「そ、そうですよ!ロザリア様と接する時の旦那様は、それはもうお優しくて愛が溢れております!」
二人は私を一生懸命元気づけようとしてくれる。でも近頃はテオドール様の優しい笑顔を見る事がめっきり減ってしまったから――――そうとしか思えなくなってしまっている自分がいる。
「…………最近はあまり会話らしい会話も出来ていないから…………」
「………………じゃあ、ロザリア様もご挨拶をしに行きましょう!旦那様がそのご令嬢と執務室で何をお話しているのかは分かりませんが……後ろ暗い事がなければきちんと説明してくれるはずです。私もご一緒致します!」
「…………私も行きますよ」
「…………エリーナ、レナルド…………ありがとう。そうね、何もなければテオドール様はきっと私に説明してくれるわよね」
二人に背中を押される形になったけど、テオドール様のところに行ってみようと決意した。いつまでも避けていてはダメだわ。何を言われるにしてもテオドール様の口から聞きたい。
そう思って執務室の前に着いた。なかなか勇気が出なくてまごまごしていると、中からほんの少しだけ声が聞こえてしまって、ノックの手が止まってしまう――――
――ふふふっあなたがそんな風になるなんてね……可愛いところもあるじゃない――