辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 女性の声が聞こえる。テオドール様ととても親しそう……それだけでもお腹がぎゅうっと苦しくなる。

 

 ――今ロザリアと一緒にいるのは、想像以上に大変なんだ…………近頃は距離を置いているけど、それもしんどくなっていて…………距離感もどうしたらいいか分からないし、参っている。私の選択は間違いだったのか――――――――

 ――テオドール…………間違いだなんて……こうするしかなかったのだから、耐えるのよ――――


 
 私は話の内容を聞いて固まってしまった。


 
 間違い…………耐える………………


 
 「テオドール様は……私との結婚を後悔して…………今まで耐えていらっしゃったの?……」



 涙が知らずに流れてきてしまう。


 「ロザリア様……そんな事は……」

 「……奥様……」



 

 二人は私を心配して声を掛けてくれたけど、それ以上テオドール様と伯爵令嬢のお話を聞く事が出来ずに走り去ってしまった――――――
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