辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 「ロザリー……って呼んでいいかい?そろそろ私の事も愛称で呼んでもらいたい…………まだダメ、かな……」


 テオドール様を愛称で…………テオドール…………でもテオドールだと、あの綺麗な女性も呼んでいるし、同じは嫌だなって気持ちが湧いてしまう。




 「……じゃあ、テオ…………様……で………………」


 「テオ様…………うん、いいね。それでいこう、じゃあもう1回呼んでみてほしい」

 「…………テオ様」「もう1回」「テオ様」


 何度もこんなやり取りをすると慣れてきたのか、恥ずかしさはなくなってきた。


 「ロザリー…………君を愛している。だからこそ、話しておかなくてはならない事があるんだ…………君と距離を置いていた事について」


 私はテオ様と仲直り出来た事ですっかり忘れていた事を思い出した。そう言えば距離を置いているって言われていたのだわ――


 「あれはね……君に抱き着かれると…………その………………私は君がほしくなってしまうんだ。」


 テオ様が顔を真っ赤にして手で顔を覆いながら話してくれる内容は、私には考えもつかない驚きの内容だった。

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