辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
国王であるお父様は男児を生めなかった4番目の側妃など亡くなってもどうでもよく、残された私は女児であった為、存在は空気のようだったくせに何故か城からは出してもらえない。

 
 城から出た時だけ、様々な手を使って痛めつけてきて……兄弟姉妹は私が目障りなのか、痛めつけられた私に対して嫌がらせをしてくる。長いシルバーアッシュの髪は年寄りみたいとバカにされてきたから、今でもあまり好きになれない。


 大きな目は化物と言われ、人間の住む国に来るなと蹴られた事もあるし、私は自分の見た目が好きになれなかった…………何も望んでいないのだから、空気として扱ってくれればまだ過ごしやすかったのに……


 私の味方はエリーナだけ。お父様やお母様に空気のように扱われてもエリーナが私に色々な事を教えてくれて、いつでも一緒にいてくれた……だからエリーナを失うくらいなら、あの森で剣を向けられた時も本気で死んでも良いと思っていた。


 そんなお父様からのお呼び出しとあって、殊の外緊張しながら玉座の間に入った。入った瞬間、異様な雰囲気…………兄弟姉妹はニヤニヤしながらこちらを見ているし、国王も王妃殿下、側妃達も皆変な笑みを浮かべている。敗戦したばかりの王族達が、どうしてこんなにニヤニヤしているの…………


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