辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「私も男だからね…………愛する女性に抱きつかれてしまうと、たまらなくなってしまう。それは許してほしい…………君が成長期なのもあって余計に…………まぁ、この話はいいだろう。そういうのもあって君を避けていたというより、君に近づかないようにしていたんだ」
私をそういう対象として見てくれている事に喜びを感じつつ、顔に熱が集まって真っ赤になってしまう。私がまだ15歳で社交界にもデビューしていない事を考えると……確かにそういう事態は避けるべきなのかもしれない――
「私としては君が16歳になって社交界デビューをして、盛大な式を挙げてから初夜を迎えたいと考えていて……その話を君にしていないが為にこのような誤解を生む事になってしまった。本当にすまないと思っている……」
テオ様が私に頭を下げてくださっているけど、そんなお話を私にする事はとても勇気がいると思うから、怒る気にはなれなかった。むしろそんなに大事に考えてくれている事が嬉しくて……感謝を述べずにいられない――
「テオ様が謝らなくていいのです。それほどに大事に考えてくれていて……とても嬉しいです」
私のありったけの感謝の気持ちを伝える為に笑顔でそう伝えたら、テオ様が私をぎゅうぎゅうと抱きしめながら「早く式を挙げたい……」と呟くので、久しぶりに心から笑って幸せな気持ちでいっぱいになった。