辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
 

 「……はぁ………………特に不都合などありませんよ~よろしくお願いします」

 「………………」


 何やら不穏です!空気が良くないわ…………


 「じゃあ、レナルド、菜園の方に種を蒔きましょう!」


 この不穏な空気を取り払うように菜園に移動して、種を蒔く事にしましょう。


 「一番簡単なのは種イモですね。こっちの菜っ葉類は生育しやすいですが、あまり高さがないので奥には作らない方が……」

 「日当たりが悪くなってしまうものね。じゃあ、この丈が高くなりそうな種類を奥に植えて、手前に葉物にしましょうか」


 「そうですね。奥様は頭が良くて教えがいがありますね~」


 レナルドに褒められて、私は嬉しくなってしまった…………あまり理解力のある女性って嫌がられたりするのだけど、レナルドは賢いって褒めてくれる。


 「私の妻が優秀なのは当たり前だ」


 そこへテオ様が憮然とした表情でやって来て、後ろから抱き着かれてしまう…………今とても恥ずかしい事を言われた気がするのだけど――――


 「いちいち反応されるととてもやりにくいのですが」

 「…………………………」
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