辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
二人は睨み合っている。城主にここまで言えるレナルドも凄いけど……レナルドとテオ様は相性がよくないのかしら。そこへ一人の女性の明るい声が響き渡った。
「テオドール!こんなところにいたのね!探しても見つからなかったから、どこにいるのかと…………」
「ステファニー?今日は来るとは聞いていないが……何かあったか?」
あのお方は…………この前執務室にいた、ステファニー・ドゥカーレ伯爵令嬢だわ。
「あの…………」
「ああ、ロザリアにはこの前話したけど紹介はしていなかったね。私の昔馴染みで伯爵家のステファニー・ドゥカーレ嬢だ」
「初めまして、テオドール様の妻のロザリアと申します。ロザリアとお呼びください」
緊張しながらも笑顔で挨拶をしてみた……するとステファニー様は私の両手を握り、目を輝かせて挨拶してきた。
「お初にお目にかかります、ステファニーといいます。呼び捨ててくださって構いませんわ。奥様、可愛らしいお方…………なぜこのようにお可愛らしい方が、こんなクマのような大男の奥様なのかしら!テオドールは優しくしてくれています?」
「……ステファニー…………クマはないだろう」
ステファニー様がクマと言っていて、私もクマさんみたいで可愛いと思った事があるのを思い出して、クスッと笑ってしまう。