辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

親睦会


 あれからステファニー様と一緒に応接間に移動し、お茶をいただく事になった。ソファに向い合せで座り、私はテオ様の隣に座っている……さすがにステファニー様の前で膝に乗るのは恥ずかし過ぎて、隣に座らせてもらった。

 
 ステファニー様は伯爵令嬢なだけあって、所作がとても美しくて――見惚れてしまう――――

 それでいて話始めると屈託なく笑い、気さくで話しやすく、女性も憧れる女性といった感じだった。

 モカブラウンの髪はツヤツヤしていて、前髪を斜めに流し、後ろ髪は緩いウェーブがかっていて上品…………こんな素敵な方と婚約者でいて、好きにならないなんて事があるのだろうか……と半ば信じられない気持ちでいっぱいだった。


 テオ様が信じられないというわけではなくて、それほどにステファニー様が素晴らしくて…………ステファニー様の想い人であるお方は本当にステファニー様をお好きではないのかしら?好きにならない方が難しいと思うのだけど――


 私がじっと見つめてしまったので、ステファニー様はにっこり笑って「なあに?ロザリアにそんなに見つめられたら、照れてしまうわ」と返してきた。


 「あ、ごめんなさい。あまりにも素敵だから……こんなに素敵な人を好きにならない人はいないだろうなって思って……」

 「……ありがとう。でも好きになってくれない人もいるわよ~あなたの隣の殿方なんて、それはもう男性と同じ扱いだし」


 ステファニー様はそう言って、笑っているわ……信じられなくてテオ様を見ると、少し照れたように頬を指でカリカリしている。


 「いや、その…………ステファニーは昔から男勝りだったし、女性というより同僚みたいなイメージが強くて……」

 「いいのよ、私はあのお方にそう見てもらえたらいいの。それもなかなか叶いそうもないのだけど…………」


 「え……そうなのですか?ステファニー様の想い人はテオ様のご親友だと伺っていますけど」
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