辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
ステファニー様の表情があまりにも切なくて……こんなに素敵な女性の想いが叶わないなんて、私は信じられない気持ちだった。
「ロザリア…………聞いてくれる?あの方との事を!」
そうしてステファニー様は、自身の恋心を一時間は話し続け、思いの丈を存分に披露していった。本当にその方がお好きで、ステファニー様にとっては王子様のような方なのね…………私にとってのテオ様のように――
チラッとテオ様の方を見ると目が合って、ニコッと笑ってくれる。好きな人と想いが通じるという事は、とても幸せで奇跡のような事だと私は知っているから。
「ステファニー様の想いが通じるといいですね」
本当に心からそう思えたのは、テオ様のおかげだわ。こんなに素敵な女性なのだから、幸せになってもらいたい――
「ロザリアはいい子ね!テオドールが惚れるのも分かるわ。私だって惚れちゃいそう……またお話聞いてくれる?」
「はい!」
私は勢いよく返事をした。ステファニー様ともっとお近づきになりたかったし、ステファニー様の恋の応援もしたくて。
「そうだ、ロザリアは城下町に行った事はある?今度一緒にお出かけしましょうよ!」
「ダメだ」
「……………………そんな即答しなくてもいいじゃない。なぜダメなの?」