嘘を吐く貴方にさよならを
数秒後、開かれた右手が淡く光り出す。
光と共に現れたのは、黒い花びら。
一枚二枚だったのが、徐々に増え彼の手のひらから零れ落ちる。
惹かれるように一華は黒い花びらを一枚、摘み見つめた。
「これは、薔薇…………」
分かった瞬間、薔薇が周りからどのように言われているのかわかっている一華は顔を青くする。
困惑の顔を浮かべ優輝を見上げたが、彼の表情にまたしても驚き、何も言えなくなった。
一華を見つめる彼の瞳は悲し気に揺れており、切ない笑みを浮かべていた。
「そう、俺の個性の花は、黒い薔薇。薔薇の中でも一番忌み嫌われている、悪魔の薔薇だ」
手の平を横に傾けると、舞い踊るかのようにひらりひらりと黒い花びらが床に落ちる。
グレーの色をしている床は、黒い花びらの絨毯が敷かれたように黒へと染まった。
黒い薔薇を見下ろし、一華は唇をかすかに震わせた。
自身の身体を抱きしめ、荒くなる息を止めようと”大丈夫”と自身に言い聞かせる。
それでも、今まで自分が受けてきた周りからの軽蔑する視線や、暴言が頭を駆け回り、息はどんどん荒くなる。
体も震え始め、どうする事も出来ない。
そんな時、一華の身体は優輝により引き寄せられ人の温もりに包まれた。
光と共に現れたのは、黒い花びら。
一枚二枚だったのが、徐々に増え彼の手のひらから零れ落ちる。
惹かれるように一華は黒い花びらを一枚、摘み見つめた。
「これは、薔薇…………」
分かった瞬間、薔薇が周りからどのように言われているのかわかっている一華は顔を青くする。
困惑の顔を浮かべ優輝を見上げたが、彼の表情にまたしても驚き、何も言えなくなった。
一華を見つめる彼の瞳は悲し気に揺れており、切ない笑みを浮かべていた。
「そう、俺の個性の花は、黒い薔薇。薔薇の中でも一番忌み嫌われている、悪魔の薔薇だ」
手の平を横に傾けると、舞い踊るかのようにひらりひらりと黒い花びらが床に落ちる。
グレーの色をしている床は、黒い花びらの絨毯が敷かれたように黒へと染まった。
黒い薔薇を見下ろし、一華は唇をかすかに震わせた。
自身の身体を抱きしめ、荒くなる息を止めようと”大丈夫”と自身に言い聞かせる。
それでも、今まで自分が受けてきた周りからの軽蔑する視線や、暴言が頭を駆け回り、息はどんどん荒くなる。
体も震え始め、どうする事も出来ない。
そんな時、一華の身体は優輝により引き寄せられ人の温もりに包まれた。