嘘を吐く貴方にさよならを
「え、あ、あの! さっきから何なんですか!!」

「お前が俺の話を最後まで聞かずに去ろうとするからな。これ、大事か?」

「大事です! 使った記録を付けているので、ないと困ります!」

「なら、俺の話を最後まで聞いてもらおうか」

 耳に付けているリング状のピアスを揺らし、舌を出し相手を挑発。

 なんなのよぉ。

 じょうろを取られてしまっては、一華はここから動けない。

 眉間に皺をよせ、彼の次の言葉を警戒した。

「な、なんですか?」

「単刀直入に言う。お前、俺の彼女になれ」

 離れた距離を詰め、一華の顎を掴み無理やり目線を合わせ言い放った。

 何を言われたのか、何をされているのかすぐに理解出来なかった一華は、直ぐに答える事が出来ない。
 だが、すぐに頭をフル回転させ、顔を真っ赤にし、甲高い声を響き渡らせた。

「結構です!!!!」
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