制服レモネード
「初めてあった時、あんなこと言った分際で、今更俺のこと信じてくれなんて、おかしいってわかってる。でも……」

「おかしくなんかないです!今、矢吹さんに言われたこと全部、すっごくすっごく嬉しいです。だから信じたいし、矢吹さんがそんな嘘つく人じゃないって、私が一番よくわかってますから」

矢吹さんの目をまっすぐ捉えてそういうと、矢吹さんの唇がキュッと結ばれる。

「ありがとう。梓葉」

お礼を言うのは私の方なのに、矢吹さんにはいつも先を越されてしまう。 

「私こそです。えっと……こ、これから、よ、よろしくお願いします。でいいのでしょうか?」

モジモジと俯き加減でそういうと、「ハハッ」という矢吹さんの弾けた笑い声が部屋に響く。

「うん。いいと思うよ。お手柔らかに頼みます」

「お手柔らかに、はこっちのセリフですよ!何もかも初めてなんですから……」

「ん〜それはどうだろう」

!?

矢吹さんはそういうと、再び私の顎を優しく持ち上げた。

「どうだろうって……」

「手加減するほど余裕ないって意味」

大好きな彼は私の耳元で呟くと、また優しいキスをした。
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