制服レモネード
「ん?何?」
私が見ている画面を、隣に立つ矢吹さんも一緒に覗く。
「これ、さっきの……」
「2人でお揃いのロック画面にでもすればいいんじゃない?おめでとう、お2人さん」
眩しい笑顔でそう言った結衣に、目頭が熱くなって。
「結衣っ!」
私は思い切り抱きついた。
「結衣、ありがとうね」
マンションを出て、すぐに矢吹さんと道が別れてから、私はいつもの通学路を親友と歩く。
「何を言うかね〜。私は、アズが笑ってる顔が見られればそれでいいんだよ。今から矢吹の野郎が独り占めする表情があるのかと思うとムカつくけどな!」
「ハハッ、独り占めって……。でも、結衣、私と矢吹さんがその、お付き合いしましたって言っても驚かなかったね」
さっき、私と矢吹さんは何を言われるかとそわそわしながら2人でそれぞれ時間を合わせて玄関に出て報告したのに。
「あ〜だって、勉強会の時のやつの顔よ。あれ見たら、アズに落ちてるってすぐわかんじゃん」
「え?勉強会?!」
勉強会って、一体いつの話を……まぁ、結構最近だけど……。
「やつもアズも、ふたりともじれったすぎるから、こっちが協力して何かアクションおこさなきゃなぁと思ってたんだよ。まぁ、アズが勝手に追試になるわ、矢吹はお土産を持ってくるわで、意外とふたりはふたりでちゃんとやってたから、思ってたよりもすぐにくっついてくれたけど」
「結衣……」
矢吹さんのことで頭も心もいっぱいになって、最近の話題はいつも私のことばかりだったのに、そう言ってくれることが、申し訳なくて、でもこの子が親友で本当に良かったって思う。