制服レモネード

「それでね、お願いが2つあるの」

「2つ?」

「うん。ファッションショーに出ること、そして、1年の龍ヶ崎一くんにもファッションショーに出るように説得してほしいの」

「えっ、龍ヶ崎くん?」

なんで今ここで、龍ヶ崎くんの名前が出てくるのだろうか。

「うん。あの子、めっちゃくちゃ顔立ち良いじゃない。あの顔で私たちの作った服を着てもらったら、絶対映えると思うの!」

と目をキラキラ輝かせた鈴木先輩。

どうやら、あの龍ヶ崎くんをファッションショーに出したいというのは冗談じゃないらしい。

私のことだって。

「もしよかったら、誘って一緒に出てくれないかな?ほら顔はいいけどあんな感じじゃない?私たちから誘いづらくて。岡部さんもスタイルよくて綺麗だし絶対いいと思うんだ!私たち高校生活最後の部活の思い出、素敵なものにしたいのっ」

「……えっと、」

ぎゅっと両手を握られて、目で訴えかけられる。

「それにほら、岡部さんだって色々思い出作りたくない?彼氏とは」

え??かれ?し?

「あの、彼氏って、なんことですか?」

「え?岡部さんと龍ヶ崎くん、付き合ってるんじゃないの?そんな噂流れてるよ?」

「えっ、そんな……そんなのただの噂です!私にはちゃんと……!」

まったく、どう見たら私と龍ヶ崎くんがそう見え……。

いや、あの龍ヶ崎くんと唯一怯えないで話せていたってそりゃただでさえ珍しいよね。

こんな噂もたってしまうわけだ。
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