制服レモネード
「あれ、じゃあただの噂なのか」

「はい、ただの噂です!」

強くそう言い切る。

私には大好きな彼氏がちゃんといるんだ。
龍ヶ崎くんはいい人だけど、恋愛感情にはならない。

「まぁ、付き合ってる付き合ってない関係なしにさ、一緒に出てくれないかな?ほら、龍ヶ崎くん、岡部さんのこと気に入ってるみたいだし、岡部さんが追試頑張れって言ったから彼、追試受けたんでしょ?」

「いや、まぁ、そうですけど……」

「お願い!龍ヶ崎くんと岡部さんがモデルなら絶対優勝できるの!」

一体何の根拠があってそんなことを言えるのか……。

でも、こんな何もない私にここまでお願いしてくれる人がいることに嬉しくなっている自分もいる。

しかも一人じゃ心細いけど、龍ヶ崎くんも一緒だ。

「私でいいんでしょうか……」

「岡部さんがいいの!」

初めてのことで緊張するけど、高校でこういうことに挑戦するのも悪くないかもしれない。

人助けと思って。

「……わかりました。お力になれるかわかりませんが、よろしくお願いしますっ」

「はっ……ありがとう!岡部さん!」

鈴木先輩は目をキラキラと輝かせながら私の手を強く握った。
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