制服レモネード
「それで……龍ヶ崎くんにぜひ出てもらいたいと思って」

お昼休み。

結衣に先にご飯を食べてもらって、私は龍ヶ崎くんの教室へと向かい、服飾部のファッションショーに出て欲しいと頼む。

龍ヶ崎くんは教室の一番後ろの廊下側の席で頰杖をつきながら私の説明に耳を傾ける。

教室で食事をしている生徒さんたちは静かにこちらに視線を向けている。

この様子じゃ、龍ヶ崎くんまだクラスに友達作れていないんじゃ。

「嫌だ」

龍ヶ崎くんは少し黙ったあとはっきりそう言う。
うぅ……そりゃそうですよね。

「そこを何とか!お願い!」

まるでさっきの鈴木先輩みたいに、龍ヶ崎くんにさらにそう言う。

「なんでそんなめんどーなことに付き合わなきゃなんないわけ」

「先輩が、龍ヶ崎くんかっこいいから絶対衣装がより華やかになるって。私もそう思う!」

私がそう言うと、龍ヶ崎くんはため息をついて私を見上げた。

「お前のそーいうところ」

「へ?」

「好きなやついるんだろ。だったらそういうの誰彼構わず言うもんじゃねー」

「あっ、ごめんなさい」

まさかそんなことを龍ヶ崎くんに注意されるなんて。
恥ずかしい。

でも……龍ヶ崎くんは本当にカッコいいって思うのは本当だもん。
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