制服レモネード
「とにかく、女は用心深くてなんぼなの。ちゃんと話したあとはちゃんと適度な距離感を保ちなさいね」

「うん。ありがとう結衣。心配してくれて」

「あったりまえでしょう?アズのいいところは矢吹の野郎よりも龍ヶ崎よりも知ってるつもりだもの。こいつ私のこと狙ってんじゃね?って自意識過剰くらいがちょうどいい」

結衣はそう言うと私の頭をくしゃくしゃっと撫でた。

結衣の言った通りだよね。

思わせぶりだって思われる行動をしないように気をつけよう。
そして、矢吹さんと付き合えたことちゃんと報告しなきゃ。

ブーブー

やっとお弁当を開いて卵焼きを口に運んだ時、スマホが震えた。

スカートのポッケトからスマホを取り出して画面を確認する。

っ!?

画面には【矢吹さん】の表示と通知がメッセージが2件。

昼間にメッセージが届くなんて初めてのことで心臓がバクバクとうるさい。

普段は基本、夜どちらかが寝るまでと朝のおはようだけだ。

人差し指で画面をタップにてメッセージアプリへと飛ぶと。

『あんまり癒しが欲しくなって、持ってきちゃった』

というメッセージとともに、

遊園地がモチーフになっているマグカップ、その後ろにはパソコンや資料や文房が見える。
矢吹さん、職場に私があげたマグカップ持っていってくれたんだ。

『あんまり癒しがほしくて』って……。

喜ぶなって言う方がおかしい。
緩む口元に必死に力を込めて。

『嬉しいです!これで矢吹さんといつも一緒にいる気分っ』

最後に目がハートの絵文字をつけて、もうひとつ、この前、結衣にとってもらったツーショット写真を添付して送信した。
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