制服レモネード
それから、ほかの衣装を着る順番を話し合いながら、去年のファッションショーの話も部員のみんなが話してくれた。

去年の3年生たちが満を辞して出そうとしていたウェディングドレスは、完成が間に合わなかったとか。

部員のみんなのためにも今年卒業する3年生のためにも、少しでも力になれるように私も頑張ろう。

「お疲れ〜じゃあ、また明日もよろしくね〜」

「はい、お疲れ様でした!」

あたりがオレンジ色に染まって、私と龍ヶ崎くんは校舎を出て校門で服飾部の生徒さんたちと別れる。

「龍ヶ崎くん、どうだった?衣装の感じとか」

「あぁ、なんつーか、意外と本格だなとは思った」

「だよね〜。私も服飾部なんて存在すら知らなかったから今日改めてびっくりしちゃったよ。じゃ、また明日──」

「送る」

龍ヶ崎くんが服飾部に好意的になってくれてホッとしながら、別れ際に手を振ろうとすると、龍ヶ崎くんが隣を歩き出した。

「え、あっ……ありがとう」

思わずお礼なんてしちゃったけど、ダメじゃん。

結衣にも、矢吹さんとのことちゃんと話してって言われたばかりなのに。
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