制服レモネード
「はぁ……」

あれから1週間が経って。

スマホの画面を10回以上見返して思わずため息を出してしまう。

「どうしたのアズ。最近おかしくない?ファッションショーの仕事でとうとう疲れたか?ずっと帰宅部だったらそりゃ放課後の活動とか疲れるわなー」

朝のHRが始まる前の朝の時間。

教室にはまだ全員揃ってなくて、みんなそれぞれおしゃべりをしたり机に突っ伏して寝てる人がちらほら。

「ううん。服飾部は楽しいよ。龍ヶ崎くんも真面目に取り組んでくれてるし」

「じゃあどうしたのよ」

「うん……」

私は、最近矢吹さんが忙しすぎてまともにコミュニケーションが取れていないことを話した。

私と話していても、終始眠そうだったり、仕事の電話がよく鳴るようになったり。

そして、今日の朝、ついに矢吹さんからあるメッセージが届いてしまった。

『今日は残業で帰れそうにないんだ。また落ち着いたら連絡するね』

「うわ〜そんなに忙しいんだ今」

「うん。しょうがないのはわかってるんだ。矢吹さんのところ、今人手不足みたいで。ほら矢吹さん仕事すごくできる人だから、自分の仕事やりながらも他の人のカバーもしなきゃなんなくて……」

「ほほーん。それで寂しいと」

改めて自分の気持ちをそう言葉にされると恥ずかしくて、俯きながらゆっくりと頷く。

「でもしょうがないよなぁ、仕事がって言われちゃうとなんともなぁ。これで付き合いだとかなんとか言って飲みにばっかり言ってたら話は別だけどさ……」

「うん、わかってるんだけどね……」

「アズっ!」

ん?

突然、ドアの方から私を呼ぶ声がしたかと思うと、濱谷くんが険しい顔をしながら、私の席へとやってきた。
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