制服レモネード
なんとなく目に入って指差した先。
大学生の男女何人かが、看板の準備をしている。
その中には、明らかにカップルのように見える1組がいて。
もし、あの中にいるのが私と矢吹さんだったら……なんて想像してしまう。
喧嘩した後に矢吹さんの出張で1週間会えなくなったあの頃とは全然違う。
私と矢吹さんは今付き合っていて、そんな中、会えなくなってて、浮気の疑いまで出てきているんだから。
比べ物にならないくらい、あの時よりも不安が大きい。あの時だって、テストに全然集中できなかったんだけど。
「梓葉ちゃん、聞いてる?」
「はっ、な、なんでしょうか!」
突然名前を呼ばれて我に帰ると、鈴木先輩がこっちを見ていた。
「大丈夫?梓葉ちゃん、もしかして、緊張してきた?」
鈴木先輩の声に「そうかもしれないですっ」と引きつった顔を見せながら謝る。
ファッションショーに集中してないなんて、絶対ダメだよ。頭の中、矢吹さんのことばっかりなんて。
*
「よし、明日の日程はもう大丈夫ね!なんかあったらまたグループチャット動かすから。私たちはまだ作業が残ってるから学校に戻るね!」
「はい、ありがとうございました!よろしくお願いしますっ」
「じゃあ、また明日ねー!」
大学の見学がなんとか終わり、私たちは大学の門の前でそれぞれ別れる。
私たちはそのままうちへ、先輩たちは再び学校へ。
「梓葉、ちょっと」
最近、放課後の帰りはずっと龍ヶ崎くんに送ってもらっていたから、今回もいつもの流れで龍ヶ崎くんと2人帰り道を歩いていると、突然、グイッと手を掴まれた。
「ん?……どうしたの、龍ヶ崎くん」
「どうしたのって……こっちのセリフなんだけど」
「え……?」
大学生の男女何人かが、看板の準備をしている。
その中には、明らかにカップルのように見える1組がいて。
もし、あの中にいるのが私と矢吹さんだったら……なんて想像してしまう。
喧嘩した後に矢吹さんの出張で1週間会えなくなったあの頃とは全然違う。
私と矢吹さんは今付き合っていて、そんな中、会えなくなってて、浮気の疑いまで出てきているんだから。
比べ物にならないくらい、あの時よりも不安が大きい。あの時だって、テストに全然集中できなかったんだけど。
「梓葉ちゃん、聞いてる?」
「はっ、な、なんでしょうか!」
突然名前を呼ばれて我に帰ると、鈴木先輩がこっちを見ていた。
「大丈夫?梓葉ちゃん、もしかして、緊張してきた?」
鈴木先輩の声に「そうかもしれないですっ」と引きつった顔を見せながら謝る。
ファッションショーに集中してないなんて、絶対ダメだよ。頭の中、矢吹さんのことばっかりなんて。
*
「よし、明日の日程はもう大丈夫ね!なんかあったらまたグループチャット動かすから。私たちはまだ作業が残ってるから学校に戻るね!」
「はい、ありがとうございました!よろしくお願いしますっ」
「じゃあ、また明日ねー!」
大学の見学がなんとか終わり、私たちは大学の門の前でそれぞれ別れる。
私たちはそのままうちへ、先輩たちは再び学校へ。
「梓葉、ちょっと」
最近、放課後の帰りはずっと龍ヶ崎くんに送ってもらっていたから、今回もいつもの流れで龍ヶ崎くんと2人帰り道を歩いていると、突然、グイッと手を掴まれた。
「ん?……どうしたの、龍ヶ崎くん」
「どうしたのって……こっちのセリフなんだけど」
「え……?」