制服レモネード
「ここって……」
少しの間歩いていると、龍ヶ崎くんが突然足を止めたので顔を上げる。
「女子、こういうところ好きだろ。あれ、もしかして梓葉ケーキ苦手?」
龍ヶ崎くんの声にぶんぶんと首を振る。
「ううん、大好き!」
「おう、ならよかった」
そう言って龍ヶ崎くんが入っていったのは、よく雑誌やテレビなんかでも紹介されているケーキバイキングのお店。
龍ヶ崎くんの後についていって、案内されたテーブルに座って、キョロキョロと辺りを見回す。
やっぱり、女性のお客さんが多いなあ。
龍ヶ崎くん、こんなところ苦手だと勝手に思っていたけれど、ケーキとか好きなのかな。
「よし、取りに行くぞ!」
なんだか嬉しそうな龍ヶ崎くんに私は頷いて同じように席を立ってケーキが並べられているところへ一緒に向かう。
「えっ、龍ヶ崎くん、取りすぎじゃない?本当に全部食べられるの?」
席に戻ると、私のお皿と龍ヶ崎くんのお皿以外に2つのお皿がテーブルの中央に置かれていてその上には色とりどりのケーキたち。
「いいから早く座って食べるぞ。時間制限あるんだから」
龍ヶ崎くんはそういうと、ケーキを一口パクッと口に入れてから「うめぇ、うめぇ」と言いながらフォークの動きを止めない。
あんまり龍ヶ崎くんが美味しいそうに食べるもんだから、私も自分の持ってきたケーキを頬張る。
「うわぁ!美味しいっ!」
「ふっ、な」
私の声に、嬉しそうに頷く龍ヶ崎くん。