制服レモネード
「梓葉のこと、すげー大事にしたいんだ。大切に大切に、壊れないように。でも……全部欲しくて、どうしようもないときばっかで」
っ?!
スッと矢吹さんの綺麗な手が伸びてきて、私の頬を撫でると、そのまま指が私の唇を撫でる。
「梓葉といると、全然大人になりきれない。俺の制御が効かなくなるなら、いっそ、梓葉と2人になる時間がなくなれば、なんて。仕事が忙しくなったことにちょっとホッとした自分がいた」
「……っ」
矢吹さんが、私のことを大切に思ってるからこそ、そう言ってくれているのはわかっている。
でも……。
「私だって、我慢できないですよ」
「……梓葉?」
「いいですよ。私、矢吹さんとそういうことしても……」
そう呟いて、彼のワイシャツの袖をギュッと握って顔を上げる。
矢吹さんは、驚いたように目を見開いて、ワイシャツを握った私の手を優しく捕まえた。
「ダメ。絶対ダメ。煽るのやめてよ」
悔しそうに唇を噛んだ矢吹さん。
私とそういうことができないと思っていたから、矢吹さんは私から距離を置いたなんて、そんなのは嫌だもん。
それなら……。
「やっぱり私、女としての魅力、ないですか?」
「……っ、何それ。変な質問しないでよ」
「だって……」
そんな風にはぐらかさないで。
「魅力しかねぇーって話してるんだろ。今だって、もうずっと、触れたくて仕方ねーよ。けど、止められなくなる。絶対。俺はちゃんと、梓葉のこと大切にしたいんだ」
「私だって、矢吹さんに触れてもらえるのすっごく嬉しいです!大切にされてるって実感します!だから……」
「……そーじゃなくて」
矢吹さんが私の両肩を捕まえて、顔を逸らしてそう呟いた。