制服レモネード
それぞれの愛情
「ママ!パパ!ちょっといい?」
とうとうやってきたこの日。
週末、朝の時間をゆっくりとリビングで過ごす2人に、話しかける。
「ん?どうしたの?あ、もしかして、恋の相談?」
「はっ、ちょ、恋って何。パパ聞いてないけど」
ドキッとするママのセリフに、慌てたパパが開いていた新聞紙を閉じてこちらを見る。
正確には、恋以上だと言えるような話なんだけど。
明らかに、普段穏やかなパパの表情が変わって、緊張する。
「……うん。実は、会わせたい人がいるの」
私がそういうと、ニコッと嬉しそうにするママと、眉間にしわを寄せたパパ。
「それって……ちょっと待て、パパ、パジャマのまんまだぞ。何時にその人は……」
突然ソファーから立ち上がり、オロオロとしだすパパに、ママがまた笑いだす。
「大丈夫。今日の夕方に来て欲しいって伝えたから。まだまだ時間はあるよ。急で悪いんだけど、2人とも大丈夫かな」
私がそう聞くと、ママは嬉しそうに「ええ」と笑って、パパは複雑そうな顔をしながらも、了承してくれた。