制服レモネード
「ご両親、大丈夫かな」

耳打ちでの矢吹さんの囁いた声に、緊張とは別のドキドキが私を襲う。

「だ、大丈夫です。うん、大丈夫」

やっぱり、年の差のある私たちをパパたちが応援してくれるのか、まだ不安で、自分にも言い聞かせるようにそういう。

矢吹さんが、「そっか」とだけ言って笑ってから、私とたちは、一緒にリビングダイニングへと向かった。

「ママ、パパ」

私が声をかけると、2人が同時にこちらを見た。

パパはリビングにあるソファーから、ダイニングテーブルに座ろうとしていたところで、ママはキッチンで手を洗ってタオルで拭いていると途中。

「あれ……矢吹くんじゃないか」

「どうしたの?ごめんなさいね、うち、今からお客さんが来るとここで……」

2人は矢吹さんの姿を見るなりそういう。

これは明らかに、私と矢吹さんが付き合っているなんて思ってもみないって感じだ。

「あ、いや……あのね2人とも、」

「すみません、岡部さん。梓葉さんと、お付き合いさせていただいてます。矢吹です」

私の隣にいた彼は、私の声を遮ってはっきりとそう挨拶をした。
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