制服レモネード
「僕たちの交際を、認めていただきたいです。お願いします」

矢吹さんはそう言って、パパとママに頭を下げた。
私も、同じように下げる。

矢吹さんの『誠意』

パパやママにも、応援してもらえる、そういう2人になりたい。

私も、おんなじ気持ちだ。

「顔をあげなさい、2人とも」

パパの声が聞こえて、私たちはゆっくり顔を上げる。

「梓葉。梓葉はちゃんと、彼の誠意に答えられるのか。まだ子供だから、なんて、そんな言葉通用しないぞ」

パパからの予想していなかった問いに、一瞬驚いたけれど。

「……はいっ!」

自信をもって、そう返事をした。

パパは私に向けていた視線を再び矢吹さんにうつす。

「……娘のこと、よろしくお願いしますっ」

パパがそう言って、頭を下げた。

「え……パパ、いいの?」

「いいのって、認めてもらうためにわざわざ来てもらったんだろう」

パパが顔をあげてそういう。

いや、それはそうなんだけど。

今の流れ、確実にもっと怒られるんだとばかり。

「矢吹くんの誠意はちゃんと十分伝わったよ。相手の両親に挨拶に来て、こんなにしっかりしたことが言えるんだ。来るだけでもすごい勇気がいることなのにね」

そのセリフは、きっと、それを経験したことあるパパだから言えることなんだろう。

「矢吹くんが、本当に真剣に考えて決めたことなんだってわかるよ」

「ありがとうございますっ」

「それに……」

パパは静かにそういって私に視線を向けた。
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