制服レモネード
私たちの話をしながら、時折、パパたちが付き合っていた頃の話を聞いたりして。

最後はみんなで、矢吹さんお手製のレモネードシロップを持ってきてもらって、みんなで飲んで。

気づけばあっというまに時刻は夜の10時半を過ぎていた。





「昨日は本当にありがとうございました」

翌日の放課後、まっすぐ矢吹さんの部屋へと向かってから昨日のお礼をする。

「いやいや、こちらこそ本当にありがとう。最初は緊張してたけど、お父さんにちゃんと認めてもらえてよかったよ。梓葉が20歳になったら、みんなでお酒飲もうね」

「ふふ。本当だよ。男2人で楽しんじゃってさ〜」

昨日、パパは完全に矢吹さんを気に入ってしまい、帰り際は、パパの方が泊まっていけばいいのにとうるさかった。部屋隣なのに……。

でも、本当に良かった。

無事に2人に矢吹さんのことが伝えられて、応援してるといってもらえて。

「なに、寂しかったわけ?」

矢吹さんはそう言って、ソファーとローテーブルの間に座ったまま、私のことを引き寄せて後ろから抱きしめた。

「そりゃ……ちょっと、」

「ハハ、ちょっとね」

矢吹さんの掠れた笑い声に、きゅんとして。
ほんと、全然慣れないっていうか、ひどくなっている気しかしない。
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