制服レモネード
蜂って聞くだけで、危険なイメージを抱いていたから、ちょっと安心する。
この辺りに来たら、私も、専用の防備服のようなものを着なきゃいけないのかと思っちゃった。
看板を通り過ぎ、建物の方へと向かった矢吹さんの背中を追う。
そして、蜂蜜の販売所の引き戸に、矢吹さんが手をかける。
緊張する。これから、矢吹さんのご両親に会うんだ。しかも、矢吹さんとご両親はまともに顔を合わせていない険悪な仲。
「梓葉、大丈夫?」
私の顔を心配そうに覗き込む矢吹さん。
うん、大丈夫。
今の矢吹さんなら、私なら、きっと大丈夫。
「っ、はい」
私がしっかりとそう返事をすると。
矢吹さんが優しく笑いかけてから、ガラッと引き戸を引いた。
チリンチリーン
矢吹さんが引き戸を開けると、取り付けられていた上の鈴が元気よく鳴り出した。
「はーい!」
遠くの方から、女性の返事がする。
矢吹さんのお母さん、だろうか。
2人で息を飲んでから声の主を待つ。
「すみません。お待たせして。いらっしゃいま───」
こちらに向かって来ながら話し出した女性の方は、私たちに気付いた瞬間、声を止めた。
50代くらいの女性が固まったままこちらをみている。
この辺りに来たら、私も、専用の防備服のようなものを着なきゃいけないのかと思っちゃった。
看板を通り過ぎ、建物の方へと向かった矢吹さんの背中を追う。
そして、蜂蜜の販売所の引き戸に、矢吹さんが手をかける。
緊張する。これから、矢吹さんのご両親に会うんだ。しかも、矢吹さんとご両親はまともに顔を合わせていない険悪な仲。
「梓葉、大丈夫?」
私の顔を心配そうに覗き込む矢吹さん。
うん、大丈夫。
今の矢吹さんなら、私なら、きっと大丈夫。
「っ、はい」
私がしっかりとそう返事をすると。
矢吹さんが優しく笑いかけてから、ガラッと引き戸を引いた。
チリンチリーン
矢吹さんが引き戸を開けると、取り付けられていた上の鈴が元気よく鳴り出した。
「はーい!」
遠くの方から、女性の返事がする。
矢吹さんのお母さん、だろうか。
2人で息を飲んでから声の主を待つ。
「すみません。お待たせして。いらっしゃいま───」
こちらに向かって来ながら話し出した女性の方は、私たちに気付いた瞬間、声を止めた。
50代くらいの女性が固まったままこちらをみている。