制服レモネード
お風呂から上がると、2階の部屋にはもう2つの布団が並べて敷かれていた。
「うわっ、ありがとうございますおかあさん!」
ちょうど布団を敷き終えたおかあさんにそう声をかける。
「あら、梓葉さん、すごく似合ってる!可愛らしいわぁ」
「あっ、いえっ」
そう言われて、自分の着てる服を改めて確認する。
突然のお泊りに、さっき、矢吹さんと一緒に車で街のコンビニに寄って、歯ブラシセットや下着を買いに行ったけど。
服はおかあさんのパジャマを借りることになった。
薄ピンクのシルクのパジャマ。
「前に街でお洋服屋さんしてる知り合いからもらったんだけど、おばさんにはもうこんな可愛らしい色着られなくて。ちょうどよかったわ。それ、梓葉さんがまた泊りに来た時用に置いておくわね」
「また……いいんですか?また来てもっ」
「何言ってるの!大歓迎よ!」
おあさんはそういって、隣の布団をポンポンと優しく叩いて「座って」と合図した。
さっきお風呂から出た時にちらっと居間を確認したらおとうさんと矢吹さんが2人でまだお酒を楽しんでいたっけ。
本当に、今、自分が矢吹さんのお母さんとお布団を並べていることが信じられなくて、改めて緊張して、トクトクと速く脈打つ。