制服レモネード
「親切な梓葉の親友がご丁寧に送ってくれた」

私の気持ちが読めるように矢吹さんがそう答えた。

ううっ、結衣……あの子ってば何を。

「龍ヶ崎くんとすごーく楽しそうじゃん」

「だって、最後だったし、彼にはお世話になってるし……」

「本当、行きたかった。仕事休んででも行くんだった」

矢吹さんがそう言って、顔を手で覆う。

「矢吹さん、そんな、今こうやって会えてるだけで十分嬉しいですよ!どうです!脱・JKの私ですよ!」

普段なら絶対言わないしやらないこと。
矢吹さんの前に両手を広げる。

矢吹さんが、指の間から目をチラッと出して私のことを捉える。

「ふんっ」

「えぇ、、なんで不貞腐れるんですか!」

「梓葉が龍ヶ崎といちゃつくから」

「イチャついてなんか……っ!」

時々こうやって、すごく子供っぽくなるところ。
結構好きだったりするけれど。

「どうすれば機嫌なおしてくれますか?」

ふてくされたままそっぽを向いてる彼に問いかける。

「……して」

「えっ、?」

ボソッと言った彼の声がよく聞こえなくて再び問いかける。

「梓葉からキスしてよ、そしたら機嫌治るかも」

っ?!

「知ってる?この一年、梓葉からキスしてきたことないよ?」

「だってそんなの、恥ずかしいじゃないですか」

「じゃあそんな恥ずかしいこと毎回自分からやってる俺ってなんなの?」

「それは……」

だって矢吹さんはそう言うこと慣れてるから……。
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