制服レモネード
「覚えてるのに、呼び方変わってないのおかしくない?」
グッと顔を寄せてきてそう言うの矢吹さんは、やっぱり余裕の大人で、意地悪だ。
「うっ、さ、授久くん」
この呼び方はまだまだ慣れそうにない。
「うん。おはよう梓葉」
「おはよう、です。あっ、それ」
矢吹さんが一口飲んだそれに目を向ける。
「朝の一杯は格別だよ。飲む?」
矢吹さんはそう言ってコップを少し上げてみせる。
「はい!飲みたいです!あっ、卒業して初めて飲むレモネードだっ」
一人で勝手にそう騒いで、ムフフと喜んでいると、矢吹さんの口元が少しクイッと片方だけ上がった。
「梓葉、口開けて」
「へっ?」
「飲みたいんでしょ。飲ませてあげるから」
「えっ?飲ませ……」
私の声を無視しながら、平然とレモネードをまた口にした矢吹さんが、
「ん」
と、レモネードを口にふくませたままこちらを見ている。
……とは、一体どう言うことなのでしょうか。
これって……。
どんどん近づいてくる矢吹さんに、何の抵抗もすることが出来ず、私の唇はゆっくりと開かれる。
ほんと、朝から心臓が持たないって。
バクバクと急速に速まる心臓の音に、死んじゃうんじゃないかと思っちゃうほど。
矢吹さんの潤った唇が触れたと同時に、矢吹さんの親指で、さらに私の口元が開かせられると。
スゥーっと、飲み慣れた液体が、口の中へと運ばれていく。
いつもよりほんの少しだけ温くて、心なしか、普段より濃い気がして。
私は一生、このレモネードの味を忘れないだろう。
「悪いけど、夜のじゃまだまだ足りないから」
大人の彼は再び私の唇を塞いで、レモネード味のキスをした。
───END───
グッと顔を寄せてきてそう言うの矢吹さんは、やっぱり余裕の大人で、意地悪だ。
「うっ、さ、授久くん」
この呼び方はまだまだ慣れそうにない。
「うん。おはよう梓葉」
「おはよう、です。あっ、それ」
矢吹さんが一口飲んだそれに目を向ける。
「朝の一杯は格別だよ。飲む?」
矢吹さんはそう言ってコップを少し上げてみせる。
「はい!飲みたいです!あっ、卒業して初めて飲むレモネードだっ」
一人で勝手にそう騒いで、ムフフと喜んでいると、矢吹さんの口元が少しクイッと片方だけ上がった。
「梓葉、口開けて」
「へっ?」
「飲みたいんでしょ。飲ませてあげるから」
「えっ?飲ませ……」
私の声を無視しながら、平然とレモネードをまた口にした矢吹さんが、
「ん」
と、レモネードを口にふくませたままこちらを見ている。
……とは、一体どう言うことなのでしょうか。
これって……。
どんどん近づいてくる矢吹さんに、何の抵抗もすることが出来ず、私の唇はゆっくりと開かれる。
ほんと、朝から心臓が持たないって。
バクバクと急速に速まる心臓の音に、死んじゃうんじゃないかと思っちゃうほど。
矢吹さんの潤った唇が触れたと同時に、矢吹さんの親指で、さらに私の口元が開かせられると。
スゥーっと、飲み慣れた液体が、口の中へと運ばれていく。
いつもよりほんの少しだけ温くて、心なしか、普段より濃い気がして。
私は一生、このレモネードの味を忘れないだろう。
「悪いけど、夜のじゃまだまだ足りないから」
大人の彼は再び私の唇を塞いで、レモネード味のキスをした。
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