制服レモネード
「何それ」
「男はみんな、とか、ひとまとめにしないでくださいよ」
距離を縮めたい、知りたいだけなのに。どんどん離れてる気がする。
「あっそ」
「あ、違っ、今のは……」
傷つけたいわけじゃないのに。
この気持ちがあまりにも本気で、必死だから。
から回ってしまう。
「俺のこと知ったって、やっぱり梓葉には俺のことわからないと思うよ」
「……っ」
「高校生は高校生と一緒にいる方が1番いい」
「……っ」
なんで何も言えないんだ。
何か言わなくちゃ。
違うって、もっと、何か。
そうぐるぐる頭の中考えていると。
「濱谷くんのこと、好きなればいいじゃん」
矢吹さんはそう言って、私を玄関から追い出した。
「……っ、違う、待ってよ、矢吹さん!」
ドアに向かって訴えるけど、何も反応はない。
なんでこんなことになっちゃったんだ。
何を言えば正解だったのかもわからない。
嫌われたのなら諦めれば良いけど、そんなのもう手遅れで。
矢吹さんのこと何にも知らないのに。
あの笑顔を思い出しただけで、溢れちゃうんだ。
「私は……矢吹さんが好きですよ」
聞かれてるのか、聞こえるかもわからない声で。
私はドア越しにそう告げてから、彼の部屋を後にした。