制服レモネード
「なんで……私にこんなことしてくれるんですか」

「お詫び」

初めてちゃんと矢吹さんと話した日、その時もそんなことを言われた。

「出張中も、あの時梓葉に言ったことずっと後悔してて、なんであんなこと言ったんだろうって。大人気なかったなって……だから。こんなんでごめん。すぐ謝らなくてごめん」

「矢吹さん……」

違うのに。謝らなきゃいけないのは私なのに。

『濱谷くんは矢吹さんみたいな人じゃない』

「梓葉には、嫌われたくないみたい。これからも、梓葉のこと傷つけたり、色々と間違えてしちゃうかもだけど、前もって謝っとく。ごめん」

「違う!謝るのは私の方で!子供扱いされてるのが悔しくて、ついあんなこと。あの後も、矢吹さん出張行く前に話しかけてくれたのに、ちゃんと謝らなくて。本当に、ごめんなさい」

パパやママや、結衣や濱谷くんと話すときは、わりとちゃんと冷静に考えて話せるのに。

矢吹さんと話すとつい感情が先走ってしまって。
こんなの初めてで、なかなか上手にできなくて。
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