制服レモネード
「ど、どうしたの?龍ヶ崎くん」
「担任がうっせーんだよ。追試がどうとかなんとか」
「追試……」
なるほど。龍ヶ崎くんも追試が決まってそれが嫌で先生から逃げてるってことか。
「でも、龍ヶ崎くん、この学校に転校できたってことは勉強それなりにできるんでしょ?」
「勉強が嫌なんじゃなくて、担任が嫌なんだよ。人のこと見た目ですぐ判断してよ」
「はあ……」
やはり、龍ヶ崎くん、勉強が苦手ではないんだ。
ほんと、人は見た目で判断してはいけないね。
この間だって、私に親切にしてくれたし。
──ガチャ
「龍ヶ崎っ!」
っ?!
図書室のドアが再び開けられたかと思うと、彼を呼ぶ大きな声が図書室に響いた。
龍ヶ崎くんの担任の先生だ。
周りの人たちを見回すと、みんな、面倒なことに巻き込まれたくないのか、先生から目を背けたり、知りませんと言ったりする。
先生は「見つけたらすぐ俺に言ってくれ」と言ってから、すぐに図書室を後にした。
「先生、帰ったよ」
「ん。で、お前は何やってんの」
横目でチラッとこちらを見た龍ヶ崎くん。
「え、あっ、勉強!」
「は?テストこの間終わっただろ」
「えへへ、実は私も追試なんだよね〜」
私がそういうと、龍ヶ崎くんは驚いたような顔をして「お前が?!」と声を出した。