制服レモネード
放課後、図書室のいつもの席で英語のテキストを開いてから、勉強を始める。
今日のお昼休みは、あのあと教室に帰ってからも結衣の質問攻めは止まらなくて。
しかも濱谷くんも「なになになんの話?!」と食いついてきたので一から説明するのが大変で。
やっと、ほっとゆっくりできる、静かな時間。
でも……。
「……嬉しかったなぁ」
先生にあんな風に反抗していた人が、私を見てたら追試受けたくなっただなんて。
龍ヶ崎くんのこといい人だって積極的に見てよかったって、私の考えは間違えてなかったんだって、嬉しい。
「なにが嬉しかったって?」
「え?だから龍ヶ崎くんが──」
聞き覚えのある声がして、声のした方へふと顔を上げると。
なにやら面白そうにこちらを見下ろす龍ヶ崎くんが、そのまま私の席の隣へと座ったではありませんか。
「え、ちょ、なにしてるの龍ヶ崎くん!」
「何って、勉強、するから」
「するから……?」
え、もしかしてそれって。
「ご指導よろしくお願いします、梓葉先生」
龍ヶ崎くんは、頬杖をついてこちらを見ると、なにやら勝ち誇ったような顔をしてみせた。
「え!わ、私が龍ヶ崎くんに勉強教えるってこと?」
「そうだけど」
「そうだけどって……私そんな教えるほどできないよ……」
「頑張ろうっていったの梓葉だろ」
「えっ……」
そっか、昨日、龍ヶ崎くんを図書室でかくまった時に最後に言ったセリフを、まさかそんな風に捉えられるなんて。
お昼休みの『また、放課後』って、こういう意味だったんだ。
今日のお昼休みは、あのあと教室に帰ってからも結衣の質問攻めは止まらなくて。
しかも濱谷くんも「なになになんの話?!」と食いついてきたので一から説明するのが大変で。
やっと、ほっとゆっくりできる、静かな時間。
でも……。
「……嬉しかったなぁ」
先生にあんな風に反抗していた人が、私を見てたら追試受けたくなっただなんて。
龍ヶ崎くんのこといい人だって積極的に見てよかったって、私の考えは間違えてなかったんだって、嬉しい。
「なにが嬉しかったって?」
「え?だから龍ヶ崎くんが──」
聞き覚えのある声がして、声のした方へふと顔を上げると。
なにやら面白そうにこちらを見下ろす龍ヶ崎くんが、そのまま私の席の隣へと座ったではありませんか。
「え、ちょ、なにしてるの龍ヶ崎くん!」
「何って、勉強、するから」
「するから……?」
え、もしかしてそれって。
「ご指導よろしくお願いします、梓葉先生」
龍ヶ崎くんは、頬杖をついてこちらを見ると、なにやら勝ち誇ったような顔をしてみせた。
「え!わ、私が龍ヶ崎くんに勉強教えるってこと?」
「そうだけど」
「そうだけどって……私そんな教えるほどできないよ……」
「頑張ろうっていったの梓葉だろ」
「えっ……」
そっか、昨日、龍ヶ崎くんを図書室でかくまった時に最後に言ったセリフを、まさかそんな風に捉えられるなんて。
お昼休みの『また、放課後』って、こういう意味だったんだ。