制服レモネード
「で?見てくれるの?くれないの?」

「うっ、わ、わかった!私の出来る精一杯サポートするよ!」

まさか、あのセリフのせいで一緒に肩を並べて勉強することになるなんて。

周りにチラッと目線を向ければ、やっぱりみんな、なんで龍ヶ崎くんがこんなところにって顔をしている。

「あたりめーだ。言い出しっぺなんだからな」

「言い出しっぺって……」

「そーだろ。で、何が嬉しくてあんなににやけてたの」

ううっ。本人目の前に言いづらいって。

龍ヶ崎くん、ほんと見た目によらず、人の話ちゃんと聞いてて忘れないんだよなぁ。

「私の言葉で、龍ヶ崎くんが勉強しようって思ってくれたこと、純粋に嬉しいなぁと思っただけ」

「……」

ん?せっかく答えたのになんでなんの反応もないの?

なんの反応もないので、テキストに向けていた顔を隣に向ける。

「り、龍ヶ崎くん?」

彼の顔をみて驚いて、思わず名前を呼んでしまう。

だって。

口元を手で押さえてから机をまっすぐみて固まる龍ヶ崎くん、耳の先が真っ赤だもん。

「見過ぎ」

こちらを見ずに冷たい声でそういうけど、そんな彼はいつもとは違って顔が赤い。こんな顔見せられたら見過ぎてしまうに決まってる。
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