制服レモネード
「だって、龍ヶ崎くん、真っ赤」

私が小さくそういうと、龍ヶ崎くんはチラッと横目で私を見て、また視線を正面に戻した。

「……ムカついたら血が上ってすぐこうなんだよ」

「えっ?ムカ?」

予想外のセリフに思わず聞き返す。

てっきり、照れちゃって顔を真っ赤にしているんだろうと思っていたから……。

ムカつくってなににムカついているんだろうか。

「自覚なしで変なこと言うのな。まぁ、初めて会った時からそうか……」

変なこと……。
さっきのセリフ何か気に触ったのかな?

特にそんなつもりなかったから、どうしていいかわからない。とりあえず、謝らなくちゃ。

「ご、ごめんなさ─────」

「嘘」

っ?!

身体を隣に座る彼に向けて、謝ろうと頭を下げた瞬間、龍ヶ崎くんの声とともに、頭にコツンと何かがもたれかかってきた。

「あの、龍ヶ崎くん……」

困ってそう彼の名前を呼ぶのも無理はない。

だって、龍ヶ崎くんのおでこが私のおでこにくっついたままで、今ものすごく近くに彼の顔があるんだもん。

見た目は派手で、怖そうだって思うけど、よく見たら綺麗な顔をしていて。

不覚にもドキッとしてしまう。

「別に、ムカついたとか冗談」

「何その冗談……」

「いいから早く、教えてよ、梓葉センセ」

龍ヶ崎くんはそういってニヤッと笑った。
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