制服レモネード
遊園地には、一番近くにあるところに結衣と2人で行ったことあるくらいで、それも1年前くらい。

久しぶりの遊園地、持ち物もスマホで検索をかけて調べてから、黒のショルダーバッグにつめた。

珍しく揃って仕事が休みらしいパパとママを起こさないようにと、慎重に音を立てないように軽く朝ごはんを物色する。

最近、矢吹さんの家で勉強したりしてご飯や掃除、だいぶ手を抜いていたから、今日からまた頑張らなきゃ。

食器棚の一番下に入っているシリアルの袋を取り出して、朝ごはんの準備をする。

──ガチャ

「あら、梓葉起きてたの」

突然パパとママの寝室のドアが開くと、ママがパジャマ姿で出てきて目をこすっていた。

お、起きてきてしまった。

普段、友達と遊びに行くなんてなかなかない私が、いつもと明らかに違う格好でいるのは、すぐにバレてしまうだろう。

「お、おはようママ」

「おはよう。出かけるの?」

「あ、うん。ゆ、結衣と──」

色々聞かれる前に誤魔化さなきゃと思い口を開いた瞬間。

「デートね」

っ?!

ママがニヤッと笑ってそういった。

「えっと、」

「顔真っ赤よ」

うっ。

ママに指摘されて、自分の顔に手を持っていき手のひらで熱を持った顔を冷ますようにする。

そんな私の反応を見ても動じずコーヒーの準備するママ。

こういうとき、色々聞かれるんだと思ってた。

「……なんでデートって思うの?」

「なんでって、梓葉の顔に書いてあるわよ」

「えっ、」

顔に、書いてあるだと?!そんなにわかりやすいのかな、私。
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