制服レモネード

「あ、ありがとう、ございますっ。や、矢吹さんも、かっこいいです」

いきなり襲ってくる胸の高鳴りで言葉がうまく出てこない。

ほんと、ああいうことをさらっと言うのがすごくさまになるというか、似合う人だからずるい。

「なんか、場所変わっちゃうと照れますね!早く行きましょう!遊ぶ時間なくなっちゃいます!」

空気を変えようと、声を張ってそういう。

地下の駐車場は太陽の光が入ってこない分、少し暗くて、なんだか妙にドキドキする。

矢吹さんと2人っきりで車の中にいることに変に罪悪感みたいなものも生まれちゃうし。

勉強してる時だって、2人きりだったのに。

「ほんと、照れる。……よし!ちゃんと見てけよ〜矢吹さんのハンドルさばき」

「ふふっ、はい!瞬きしないでしっかり焼き付けます!」

私がそういうと、矢吹さんはフッと笑ってエンジンをかけた。

どうしよう……。

矢吹さんも、照れるって言ってくれた。
いや、私に合わせてくれたのもあると思うんだけど。

すっごく嬉しい!!
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