【Amazonベストセラー入りしました】偽花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとハラハラしていたらイケメン王が溺愛してくるんですが?
「フウル殿のナリスリア国にはまだまだ及ばないが、これからもっと緑豊かな国に育てていきたいと思っているんだ」
「あの⋯⋯」
「ん?」
「どうぞ、『殿』は外してください。フウルとお呼びください」
そう言うとリオ・ナバ王はとても嬉しそうな顔をした。
「では、遠慮なく呼ばせていただこう。フウル?」
「はい?」
「——呼んでみただけだ」
「え?」
国王の顔に少年のような悪戯っぽい笑みが浮かんでいる。
フウルも思わず小さく笑ってしまった。
——このままずっと馬車に乗っていたいわ。こうして陛下と話しを続けて⋯⋯、こうして一緒に笑って⋯⋯。だけどそんなことはありえないのね、わたくしは、もうすぐ処刑されるんだから⋯⋯。
心の中でそっとため息をついた。
「あの⋯⋯」
「ん?」
「どうぞ、『殿』は外してください。フウルとお呼びください」
そう言うとリオ・ナバ王はとても嬉しそうな顔をした。
「では、遠慮なく呼ばせていただこう。フウル?」
「はい?」
「——呼んでみただけだ」
「え?」
国王の顔に少年のような悪戯っぽい笑みが浮かんでいる。
フウルも思わず小さく笑ってしまった。
——このままずっと馬車に乗っていたいわ。こうして陛下と話しを続けて⋯⋯、こうして一緒に笑って⋯⋯。だけどそんなことはありえないのね、わたくしは、もうすぐ処刑されるんだから⋯⋯。
心の中でそっとため息をついた。