【Amazonベストセラー入りしました】偽花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとハラハラしていたらイケメン王が溺愛してくるんですが?
12(完結)
リオ・ナバ王の上着はとてもいい匂いがしていて、フウルは思わずボーッとなってしまった。なんだか体がふわふわして、腰から砕け、座り込んでしまいそうだ。
——ダメだわ、しっかりしなきゃ!
ハッとして両手を握りしめる。
「⋯⋯わ、わたくしをはやく処刑してくださらないと、このままでは塩が混じった雨が降ります。わたくしが持っている『ギフト』は民を不幸にする能力なのです。黙っていて、ごめんなさい!」
頭を深く下げて謝った。それから砂漠の奥に向かって走り出す。
生きながらハゲタカに食べられるつもりだった。
——わたくしは、わたくしは生きていちゃいけないんだわ!
泣きながら走っていく。
だけどすぐに後ろから、
「フウル、待て!」
がっしりと力強い手に止められた。
——ダメだわ、しっかりしなきゃ!
ハッとして両手を握りしめる。
「⋯⋯わ、わたくしをはやく処刑してくださらないと、このままでは塩が混じった雨が降ります。わたくしが持っている『ギフト』は民を不幸にする能力なのです。黙っていて、ごめんなさい!」
頭を深く下げて謝った。それから砂漠の奥に向かって走り出す。
生きながらハゲタカに食べられるつもりだった。
——わたくしは、わたくしは生きていちゃいけないんだわ!
泣きながら走っていく。
だけどすぐに後ろから、
「フウル、待て!」
がっしりと力強い手に止められた。