Sweet Lovers
「まったく、琥珀ったら。

まぁ、気持ちは分かるけどね。

手作り感満載のほうが琥珀らしいよ」

「多少うまくいかなくても、巽くんには気持ち、伝わるはずだよ」

「そうそう!

大事なのは気持ちよ、気持ち。

琥珀が作ったの?って驚く顔が目に浮かぶわ。

大学進んだら私と賢人みたいに同棲するんだし、家事出来るアピールは大事よ」

「ちょ、美冬ったら!

まぁ、今は少し、学生のうちから同棲ってどうなんだろ、ってちょっと迷ってるけど」

「琥珀も!?
私も、さっきまで迷ってたよ」

美冬が!?

しかも、さっきまで、と言っていた。

もう今は吹っ切れたということだろうか。

「さっき、相原さんに話聞いてもらってね。

誰に迷惑かけるわけでもない。
若くて可能性が満ち溢れているからこそ、出来ることがたくさんある。

自分の幸せの為に生きてみるのも、大切。
そこで後悔しても、人生はやり直しがきかないから。

その言葉で、何だか勝手にインターネットのネガティブな情報に振り回されてたのがバカらしくなったのよ」

「相原さんみたいな年上の人のアドバイスは参考になるなぁ。
1人では狭くなりがちな視野を拡げてくれる。

今日、来て良かった!」

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