Sweet Lovers
皆、いろいろ人知れず悩んでたんだなぁ。

私も、悩んでいないことはない。

社会人ではなくて、まだアルバイトでしかお金を稼げない立場だ。

そんな中で同棲なんて、うまくいくのだろうか。

厳しい音大のプログラムとの両立は、可能なのだろうか。

私も近々、思いの丈を優弥と相原さんが揃うときに話してみることにしよう。

1人だけで悩んでいても、前には進めないのだから。

何かあったらすぐに悩みを打ち明けられるのが、美冬の良いところだ。

そこは、親友の1人として見習いたい。


ラッピングにも、メッセージカードのデコレーションにも、私はとっても苦労した。

何度もリボンをダメにしてしまったが、深月や椎菜は呆れた様子すら見せなかった。

私の親友たちが天使にさえ思えた。

美冬や椎菜が懇切丁寧にアドバイスをくれたので、何とか形になった。

何かを手作りするなんて、人生初めてのことで。
こういう時間も新鮮で、楽しかった。

皆で一緒の時間を過ごしたから、というのも、あるだろうが。

それを除いても、卒業前の思い出に残るひと時だった。

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