Sweet Lovers
翌日。

いつもの冬のように、寒さに起こされることはなかった。

天気予報からは、GW頃の暖かさになるというアナウンサーの声が聞こえてきた。

今日はいい日になりそうだ。

ベージュニットとチュールスカートがドッキングしたワンピースを着て、メイクを施す。

編み込みポニーテールヘアアレンジを終えた頃。

『あと10分で着く。
インターホン鳴らすから、
ちゃんと鍵開けてくれよ』

優弥からメッセージが入っていた。

画面に表示される文字は、9:50となっている。
早すぎず遅すぎず、ちょうどいい時間だ。

『了解、気をつけて来てね』

鞄に荷物を詰め終わった頃、インターホンが鳴った。

せっかく来てくれた優弥を待たせるわけにはいかない。

準備はギリギリ終わった。


「久しぶりだな、琥珀」

久しぶりに聞く優弥の声を確認して、鍵を解錠した。

家の玄関の扉が開いた音がする。

丁寧に靴を揃えている優弥の後ろ姿に、育ちの良さを感じる。


紙袋を手に下げて、玄関に向かった。
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