Sweet Lovers
「琥珀も。

課題ばっかりに向き合ってないで、たまには俺に連絡しろよ。
俺、琥珀にとってどういう存在なの?って思うと寂しくなるし」

「じゃあ、気分転換にスポッチャ誘おうかな」

「スポッチャ出禁にはならないでくれよ、頼むから。

ストラックアウトやらせても、卓球やらせても、ダーツやらせても難なくこなせる彼女って、琥珀くらいだし。

こういうところでは、男がいいところを見せる場面なのにさ。

俺の立場も考えてくれよ……

デキる彼女持つと、大変だ」

「ねぇ、それ褒めてる?」

久しぶりに会うと、話題は尽きなかった。

秋山(あきやま)くんや小野寺(おのでら)くんといった同級生たちとはたまに会うらしく、いろいろ近況を聞かせてくれた。

自動車の免許は2人とも取ったようだ。

レンタカーでも借りて、深月や、美冬を乗せてドライブでも行くのだろうか。

2人はそれでなくても実家を出て大学から通う。

その準備もあるのに。

秋山くんは、彼女の深月が一人暮らしをするから、心配なのだろう。

そのうち半同棲してそうだ。


お昼前に行ったのに、もう時計は15時になっていた。

カフェの雰囲気も良く、カヌレも紅茶も堪能した。

間違いなく、課題を進めるエネルギーにはなってくれただろう。
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