Sweet Lovers
登校日はさぞあっさりと終わった。

椎菜、深月、美冬と共に、逆方向のショッピングモールがある駅に向かった。

材料やラッピングのための品を買い込む。

100円ショップにはところ狭しとラッピングのための品が並んでいた。

すでに作りたいものが決まっている深月や椎菜、美冬はあーでもないこーでもない、と言いながらはしゃいでいた。

私はどうしよう。

何も決まっていない。

深月や椎菜に連れられて、雑貨屋さんに足を運んだ。

そこには、手作りキットがずらりと棚に並んでいた。

……どれを選べばいいんだろう。

「生チョコいいんじゃない?
箱に詰めてリボン掛けるとオシャレだよ」

「うんうん!
良いと思う!

デコペンで何か書いたりとかもしなくていいからね。

そういう繊細な作業、ちょっと苦手でしょ、琥珀。

初回で苦手なことに挑戦して、料理自体を嫌いになっちゃいそうだし。

そうなるのは避けたいでしょ」

深月は心理学に明るいからか、時々こうして私の心を見透かしたような言葉をくれる。

「さすが親友だね、深月。

エスパー!?」

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