Sweet Lovers
「お、琥珀ちゃん。
良かった、お友達も一緒だね。

ピアノの音で分かったよ。
さすが、音大に推薦で合格しただけあるねぇ。

いつ見ても、澄んだ音色だ。
心が洗われるよ。

皆、車に乗っていなさい。
寒いでしょ。

チョコが溶けるから、家まで飛ばすよ」

話しかけて来たのは、家政婦の相原さんだった。

家に帰ったらチョコを作る旨の連絡は入れておいた。

だが、まさか迎えに来るとは思っていなかった。

「あの、相原さん、わざわざありがとうございます」

「お礼なんていいんだよ。

琥珀ちゃんやその親友たちが幸せになるのをひっそり応援するのも、仕事のうちなんだからね。

皆を見ていると、私まで若返るみたいでね、嬉しいんだよ。

大きなお世話かもしれないが、見守らせておくれ」


相原さんが運転する車は、20分もしないで私の家に到着した。

私が指紋認証で広い豪邸の鍵を開けた。

この家に住んでいる人しか開けられない仕組みになっている。

家政婦の相原さんですら、解錠は出来ない。
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