【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「…………情けないわね……」
自分の覚悟がちっぽけなものだという事を自覚してしまった。
「…………お嬢様?」
流石にゼフが心配そうに聞いてくる。
「…………大丈夫よ。ちょっと自分が情けなくなっちゃっただけ。……行きましょう」
「……ここからは私が先を歩きます。あなたは私の後ろから離れないでください」
ゼフがこんなに饒舌なところを初めて見た気がする。そうね、ゼフの言う通りにしなければ。私のような小娘がずんずん歩いていったら、注目の的だものね…………
「分かったわ……でも私の事はお嬢様と呼ばない方がいいと思う。名前は大丈夫だと思うけど……」